何気ない平日の朝、その日は朝から大雨で、テンションが上がらぬまま重い腰を上げて仕事へ向かいました。駅までの道のり、朝の通勤ラッシュの時間帯ということもあり、多くの人が同じ道のりを歩いてました。ふと、前に歩いていた女性に目を向けると、そこそこの雨が降っているにも関わらず傘をささず小走りに歩いている事に気がつきました。しかし、家を出たばかりなのかまださほど濡れている様子はないものの、駅までもまだ距離がある場所…このまま歩いていてかなり濡れてしまうのではないかと思いながら、様子を見ていると、ふと歩道の端に止まっていた放置自転車のカゴにかかっているビニール傘をさっと取って、あたかも自分の傘のように、さしだしました。あまりにも自然に、そしてあまりにも素早い行動だった為、その女性のその行為に気づいているのは多分私だけ…むしろ、そこに傘がある事を事前に分かっていたのでは?!と思うほど自然な流れでした。その後、駅からは別々になってしまいその後の傘の行方は分からぬままでした。しかし、朝のことが忘れられず1日過ごし、また翌朝同じように雨が降ってました。そして昨日と同じ時間帯…これは??と思い、ふと同じ道中、前を向くと、今度は傘をさしているにも関わらず左手にもう一本のビニール傘をもつ男性が居ました。いつもなら気にならないその男性の様子も昨日の事があってから、気になって仕方がありません。駅までの道のり、その男性を観察していると、昨日の女性が傘を取ったその放置自転車のところにたどり着きました。そして…おもむろにカゴに左手に持っていたビニール傘をかけたではありませんか??もうびっくりしか言葉が出てこず、私の頭の中では様々な妄想が膨らみました。あの女性とこの男性はなにかしらで繋がっていて、雨の日はここで傘を渡す約束をしている?偶然?すぐさま後ろを確認し、昨日の女性が居ないか見ましたが、私の視界にはまだ女性はおらず…帰り道にも同じ場所で傘を確認しましたが、やはり無くなっていた為、あの女性が傘を持って行ったのだと勝手に考えています。結局その後その男性にも女性にも会うことはないのですが、雨の日の同じ時間帯前後には、毎回ではありませんが、たまにその放置自転車のカゴに傘がかけられていることがあります。今だにあの傘の意味がとても気になります。
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